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Sally Nduta (2009) "Equalize it: Agenda setting in HIV and AIDS for people with disabilities"

Sally Nduta (2009) "Equalize it: Agenda setting in HIV and AIDS for people with  disabilities",  Exchange on HIV/AIDS, sexuality and gender , 2009 Vol.1   ・世界には人口の1割に及ぶ障害者がいるとされている。しかし、HIVと障害の関係については適切な注意が向けてこられなかった。 ・世銀の推計では最貧層の5人に1人は障害者である。UNESCOの調査では、途上国の障害児の1~2%しか基礎教育を受けることができていない。さらに知的障害をもつ女子の40~70%、男子の15~20%が性的虐待を18歳までに受けている。 ・障害の概念を理解する上で社会モデル、そして社会的排除は有用な道具となる。障害に関する責任は個人ではなく、社会の側にある。 ・政府、国際機関、NGO、地域社会、宗教組織などによるHIV予防やケアのためのプログラムは数多く存在するが、障害者のインクルージョン・参画に関してはまだ顧みられていない。 ・情報も、点字、拡大文字、手話などアクセシブルな形で提供されていない。結果、障害者はHIVに関する知識をほとんど持たなくなる。 ・保健ワーカーたちも障害者への否定的な態度から差別的な取り扱いをすることがある。カウンセリングや検査、支援サービスは視覚障害者のニードに合った形に直されていない。社会のスティグマのために地域からの支援を受けられない。 ・障害者の社会的排除は、障害者が性的に不活発でHIV感染のリスクがないと信じられることでさらにひどいものになっていく。結果として、(1)障害者がHIV/AIDSに関する教育機会を奪われることと(2)障害女性と性交渉することでHIVが治るという言説が信じられる文化的背景があるなど女性障害者に高いリスクがあることの2点から、障害者はHIV/AIDS感染のリスクが高いと言える。 ・こうした状況下にもかかわらず、障害者組織は多くの国でそのメンバーの意識向上やアドボカシーに取り組んできた。 ・たとえばアフリカ盲人連合(AFUB)は視覚障害者を対象としたHIV/AIDSプログラムを10カ国で実施している。プログラム...

Calvin Gwandure (2008) "Disability, locus of control and HIV and AIDS prevention and control"

Calvin Gwandure (2008) "Disability, locus of control and HIV and AIDS prevention and control",  International Journal of Disability, Community and Rehabilitation , Vol.7, No.1 http://www.ijdcr.ca/VOL07_01_CAN/articles/gwandure.shtml 1.背景 ・なぜ学生の中でも特に障害学生はHIV/AIDSに関する知識や大学のHIV/AIDSプログラムに無関心なように見えるのか? ・統制の所在(Locus of Control)に着目して、この理由を考える。 ・自発的な制御(internal locus of control)と外的な制御(external locus of control) ・アフリカでは障害は運命として認識されることが多い。そのため障害者の多くが物事を自発的な制御ではなく、外的な制御で捉える。 ・internal、externalは、HIV/AIDSに対する対応の違いにも現れる。 2.仮説 (1)障害学生は、統制の所在(locus of control orientation)が障害を持たない学生と異なる (2)障害学生は、HIV/AIDSのリスク計測が障害を持たない学生と異なる 3.調査手法 ・50名の障害を持つ大学生(実験群)と50名の障害を持たない大学生(対照群)を募集。 (1)Rotter's Locus of Control Scale (2)The WHO AIDS KABP Questionnaire (3)The focus group qualitative data gathering technique の3つの手法を用いた。 4.結果 (1)サンプルの特徴 ・障害学生の多くが小学校段階から国やNGOの援助を受けていた ・障害児学校や施設出身の者もいた ・総じて、これまでにHIV/AIDSに関する知識を得る機会が少なかった (2)計量的な結果 ・障害学生と非障害学生を比べた結果、障害学生のlocus o...

五石敬路(2008)「韓国における経済危機後の新貧困問題」

五石敬路(2008)「韓国における経済危機後の新貧困問題」『アジア経済』49-1(2008.1)、pp.25-47  経済危機後、従来の貧困とは異なるという意味で、韓国では「新貧困問題」という言葉が使われている。その特徴として、「ワーキング・プア」が貧困層の中心を占めるということがあると言われてきた。金大中政権は2000年10月に国民基礎生活保障法を施行したが、就業可能者には自活支援事業への参加を義務づけた。盧武鉉政権になっても、就業自立を福祉改革の重点課題としている。  しかし、経済危機後の韓国においても、貧困問題は依然として、労働市場以外の要因によるところが多い。経済危機後、徐々にではあるがワーキング・プア世帯の貧困世帯に対する割合が低下してきている。ワーキング・プア世帯以外の貧困世帯としては、高齢者世帯や母子世帯がある。前者は恒常的な貧困に陥っており、後者は労働市場外の要因から雇用が不安定になっているという特徴がある。このように、「新貧困問題」は、ワーキング・プアの増加を含めた貧困化の要因の複合性、多様性、そして貧困化と社会的排除の相互作用として捉えられる。  この論文では、「ビニールハウス村」を調査した。従来の貧困層居住地域と異なり、小規模で隔絶された環境にいることを明らかにした。所得面だけを取り出すと必ずしも貧困とは言えない世帯もあるが、劣悪な住居や社会からの孤立といった問題がある。世帯実情の調査からは、自活支援事業が必ずしも有効ではない。  危機後の所得分配の悪化や雇用不安定は、実は、危機以前から兆候が見られていた。低所得層の高所得層に対する世帯所得の割合やジニ係数、被雇用者全体に対する臨時雇いのシェアのいずれも、1993年頃から悪化の兆しが出ていた。これは、グローバル化に伴う労働市場の柔軟化や産業構造・企業経営の変化が考えられる。ビニールハウス村についても同様で、1980年代後半から形成されてきている。あくまでも仮説であるが、新貧困問題は80年代末から90年代前半にかけ徐々に生じ、経済危機を契機に顕在化したものと推測される。

Peter Large (1991)"Paying for the Additional Costs of Disability"

Peter Large (1991)"Paying for the Additional Costs of Disability", Dalley G. ed.  Disability and Social Policy , PSI, London, pp.101-119 追加的費用について4つのカテゴリーを示した上で、追加的費用についての実証研究の紹介、英国の給付制度分析を行う。 1. Disability-created capital costs 非障害者には不必要なものでかつ、NHSや自治体でカバーされない物品の費用(例:電動車いす、ホイストなど) 2. Disability-enhanced capital costs 非障害者にとっては贅沢品に属するが、障害者にとっては正当なニードがある物品の費用(電動缶切り、リモコン(生活制御装置)、フードミキサーなど) 3. Disability-created revenue costs 障害者だけにかかり、非障害者にはかからない支出(医薬品、ホームヘルプサービス、情報保障、ガイドヘルプなど) 4. Disability-enhanced revenue costs 障害者にも非障害者にもかかるが、障害の直接的な影響の結果、障害者の支出が高額になる支出(光熱費、旅行時のアクセシブルなホテル、汚しやすい人のクリーニング代など) 5. DIG research into additional costs DIG=Disablement Income Group 1975年のMavis Hymanの調査などの紹介。 6. Savings 特別なコストを払うことをためらい、障害者は節約を行う(外出を避ける、日用品を買い控えるなど)。そうした節約は剥奪に陥りやすい。 7. Principles of additional costs 所得がなければ、費用を払うことはできない。費用を払うことができなければ、その費用は剥奪となる。 8. OPCS and DIG additional costs figures 9. Why the difference? 2つの調査の結果が異なったことについて5つの理由を考察。 10....